by ST25
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高橋源一郎 『競馬漂流記――では、また、世界のどこかの観客席で』 (集英社文庫、2013年)
17番人気で2着になった凱旋門賞のホワイトマズル。香港に遠征したフジヤマケンザンと森調教師と蛯名騎手。アメリカの競馬雑誌の表紙を飾ったジャパンカップ勝利後のレガシーワールド。はたまた、「黄金の馬」アハルテケ種。「3年で100億すった男」テリイ・ラムズデン。
多様な話題を様々な観点から楽しむ筆者の姿勢は、熱くなることもなく、一見冷めているように見えなくもない。しかしそれは、自らの力では結果を変えることもできないし結果を予想し尽くすこともできないという達観から、純粋に目の前のドラマを楽しませてもらう「観客」に徹するという筆者の謙虚な信念によるものに思える。
そんな謙虚な筆者と世界の競馬を漂流する旅はなかなか味わい深いものだ。
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