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 藤永茂 『『闇の奥』の奥――コンラッド・植民地主義・アフリカの重荷(三交社、2006年)
 
 
 映画『地獄の黙示録』の基にもなったコンラッドの小説『闇の奥』が書かれた当時の時代状況を、ベルギー国王レオポルド2世のコンゴ収奪を中心に、ポストコロニアニズムの立場から暴露している本。

 『闇の奥』の当時の時代状況を知ることができるのはとても有益なのだけど、いかんせん西欧を批判する著者の論調が感情的で辟易する。

 中国人・韓国人の反日行動と日本の「右翼」の言動との類似性を思い起こさせる。
 
 
 ただ、『地獄の黙示録』にも出てくる「切り落とされた腕の山」のエピソードの真実とか、初めて知った興味深い話とかもいろいろ出てくる。

 本当に「文明人」による残虐行為には枚挙に暇がない。
 
 
 それにしても、

アフリカには、コンゴには、過去もなく、未来もないのであろうか?
 私はそうは思わない。現代の情況の中で、ニヒリスティックなポーズをとることほど、転ぶ心配がなく、やさしいことはない。しかし、歴史の時間は、深く、ゆっくりと流れるものだ。ハイチ出身の詩人エメ・セゼールが『帰郷ノート』の中で静かに、しかも、高々と唱い上げた「アフリカ」がアフリカの地に溢れる日が必ずやってくる。もし、やってこなければ、それは人類の終焉を意味するだろう。「アフリカ」は火薬を発明しなかった。羅針盤で大海原を越えて他国を侵すことをしなかった。蒸気で鉄路を走り、船を漕ぐことをしなかった。鳥と競って大空を制することをしなかった。木々に学び、生き物を知り、大地と一つになって生きてきた。能不能のことではない。「アフリカ」が選んだ心のたたずまいを言っているのだ。 (p231)

 と思うのであれば、そして、アフリカの人たちのことを思うのであれば、開発経済学、成長理論、民主化論を勉強しようと考えるのが自然だと思うのだが。

 宮台真司言うところの、「社会システム論における“外部帰属化”」に見えてしまう。

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