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 星野夏 『あおぞら(ポプラ社、2005年)
 
 
 “3時間”で読みきれる“インスタント本”でも読もうと思って購入した2冊のうちの1冊。新聞で大々的に宣伝されていたのを見て知っていた本。

 帯に書かれている言葉が、「裏切り、レイプ事件、恋人の死・・・。18歳・女の子の感動手記。」 で、タイトルが「あおぞら」。この時点で内容の99%が分かったようなものである。そして、実際に読んでみたところ、内容の99.5%は予想の範囲内だった。

 
 
 ここで一応念のために言っておくと、“本書について”以下で書く内容は、この本に登場する人物を軽蔑したり、犯罪行為を肯定したりするものでは断じてない。(むしろ、こんなことをいちいち書かなければいけないと思ってしまう日本における表現行為への理解度の低さを嘆きたい。)
 
 
 さて、この本を読んで感じたことを徒然なるままに箇条書きしていく。

・この本を小学校高学年から中学生の若者が読むといい。なぜなら、「不良」とか「先輩」とかに安易に憧れて、安易に近づき、安易に信頼するのは危険が伴うことを教えてくれるから。

・“事実は小説より奇なり”ということわざがあるが、この本を読んでいると、“事実は小説より平なり”とでも言いたくなる。筆者の視野や世界があまりに狭いためだろう。

・筆者は、思考力・想像力が欠如している。より正確に言えば、思考したり想像したりする習慣自体が全くない。実際、色々な事件とか犯罪に、巻き込まれたり関わったりしても、そのときの心象風景や今振り返ってみてどう考えているのかの描写がほとんどない。特に、前半は出来事の羅列が続いていて、そのときそのときの感情や考えがないままに、同じ過ちを繰り返したりしている。

・この筆者と同じような経験をした若い女の子が書いた本として、桜井亜美の『イノセント・ワールド』(幻冬舎文庫)があるが、こちらは心情描写もあり、状況描写も正確で、読み物としてのおもしろさに溢れている。

・物事に出会って思考しない、つまり、自分と向き合わない筆者の性格から当然に導かれる結果として、他人への過度の依存に陥っている。ある程度は自律もできなければ生きていくには危険が大きい。

・この本の内容とは直接には関係ないけれど、性犯罪のニュースを読んだり、聞いたりすると、自分の中の、男という生き物に対する過激な感情が盛り上がってくる。

・この本は、考えない、想像しない、そしてその結果でもあるが、視野の狭い、そんな人にならないようにしなければならないと思わせることを、これでもかというくらいに示すという点では、小学校高学年から中学生が読むとやはり良い。

・とはいえ、筆者が最初に事件等に巻き込まれたのは中学生のときであるから、筆者に自己責任を強いるべきでは決してない。

・最後に、ちょっと読書経験がある人なら誰でも分かるほどの質の低い内容なのに、金儲けのために出版し、大々的に広告まで打った出版社・編集者の罪も問われなければならない。筆者の未熟さや弱さからすれば、様々な批判も受けることになる公の場にこの文章を発表することは果たして良かったのか。
 
 
 以上。

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