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 山崎ナオコーラ 『人のセックスを笑うな(河出文庫、2006年)
 
 
 奇抜なペンネームとタイトルだが、文藝賞を受賞し、芥川賞候補にもなった作品。

 19歳の専門学校生(オレ)と39歳の専門学校講師(ユリ)との恋愛の話。

 なのだが、「心の交流」といったものが一切見られない。お互いの世界が交錯しないまま恋愛が進行している。

 象徴的なのが次の一節。

セックスというのは想像上のものだ。触っているから気持ち良いのではなく、触っていると考えるから気持ち良いのだ。 (p69)

 このクールさは、最近の(?)昼ドラやトレンディ・ドラマや恋愛小説に対して強烈なアンチを突きつけることになる。

 しかし、にもかかわらず、この小説は全く古さを感じさせず、至って「現代的」なように感じさせる。

 それは、傷つくことを極度に恐れて他人の心に踏み込まなかったり、自分に関心を集中させて他人には無関心であったりという現代人の性格と合っているからだろう。
 
 
 こう考えると、この作品は、典型的な現代人を登場させながらも現代の主流派作品に反抗しているという、なかなか興味深い作品だと言うことができる。

 ただ、それが内容のおもしろさにつながっていないのが最大の弱点ではあるが。



〈前のブログでのコメント〉

本当に、「優しさの精神病理」です。向き合えって話です(涙)最近、船橋洋一の「ザ ペニンシュラ クエスチョン」を読んでますがなかなか面白いですよ。
commented by やっさん
posted at 2006/10/24 18:01
あと最近はニーチェに癒されてます。。
commented by やっさん
posted at 2006/10/24 18:02

ニーチェに癒される??? いつからそんなキャラになったの?(笑) 
commented by Stud.◆2FSkeT6g 
posted at 2006/10/24 22:07  

いつからって あれからですが 何か?笑 
commented by やっさん
posted at 2006/10/24 22:12

あれ以来、神は死にましたか(笑)
commented by Stud.@Webmaster
posted at 2006/10/24 22:21
自分が超人だと気づいたのです 笑
commented by やっさん
posted at 2006/10/24 22:35
敵を知り己を知れば百戦危うからず、ですね。
commented by Stud.◆2FSkeT6g
posted at 2006/10/25 00:27 

爆笑
commented by やっさん
posted at 2006/10/25 09:21   
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