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 喜志哲雄 『シェイクスピアのたくらみ(岩波新書、2008年)
 
 
 シェイクスピアの19作品を登場人物と観客の距離という観点から読み解いている本。

 そこから見えてくるのは主に次のような理解。

シェイクスピアは特定の人物の肩をもったり、特定の主張を支持したりすることを、徹底的に避けているという事実である。シェイクスピアは、どれほどの悪人でも全面的に否定したりはしないし、どれほどの善人でも全面的に否定したりはしない。 (p4)

 (古今東西相当な研究の蓄積があるだろう)シェイクスピアの専門家のくせにこの程度の浅い(素人でもできそうな)読解なのか、という軽い失望感はある。

 とはいえ、この理解自体は正しいと思う。(例えば、「ヴェニスの商人」のユダヤ人シャイロックの描き方。)

 ただ、この本からは、作品のおもしろさ、著者の高揚感がまったく伝わってこない。

 つまり、この読解を知ったところでシェイクスピア作品をさらにおもしろく楽しめるようになることもないし、この本を読んだところでシェイクスピア作品をおもしろそうだと感じることもない。

 著者が目をつけたポイントがおもしろさに大いにつながってると思うだけに、残念。
 
 
 なにはともあれ、シェイクスピアの全戯曲は40くらいしかないし、その上一つ一つは短いから、少しずつ読み進めていつかは読破したい、との思いを新たにした。

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