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 アルフレッド・ベスター 『虎よ、虎よ!(中田耕治訳/ハヤカワ文庫SF、2008年)
 
 
 人類がテレポーテイション(瞬間移動)の能力を手に入れ、また、人類による惑星間戦争が勃発している未来における、一人の男の復讐と最終秘密兵器(みたいなもの)の行方を描いた1956年のSF小説の新装版。

 SF的な小ネタは随所に散りばめられていても、シンプルなストーリーの復讐話でしかなく、話にぐいぐい引き込まれはするけど「 まさかこのまま終わるのか!?」と、心配しながら読み進めていたら、最後が圧巻。

 大仕掛けが重なり合い、刺激的でイメージ豊かな世界に連れて行ってくれる。

 そこで描かれる(新たに突入したばかりだった)“核の時代”を意識した描写も、その現実の本質や緊張感を鋭く捉えていて見事。

 全体の評価としては、まあ、終わりよければすべてよし、といったところ。
 
 
 ちなみに、同じ著者の後の作品『ゴーレム100』(国書刊行会)は、その圧巻な迫力で最初から最後まで(やや強引ながら)駆け抜けていて、そちらを先に読んでいると、本作に(必要以上に)物足りなさを感じることになる。『虎よ、虎よ!』を読んでから『ゴーレム100』を読めば、両作とも文句なしに楽しめたのかもしれないけど。

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