by ST25
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
アウグスト・モンテロッソ 『全集――その他の物語』 (服部綾乃、石川隆介訳/書肆山田、2008年)
グアテマラの作家が政治亡命先のメキシコで出版した短編集。
世界で一番短い短編「恐竜」も収録されている。
「訳者あとがき」にもある通り、モンテロッソ自身の政治的な境遇を意識して書いている部分も確かに見られる。 ただ、それ以上に、面白味があるところに共通しているのは、人間の想像力のたくましさとその滑稽さ、だと思う。
「レオポルド(その作品)」の青年とか、「コンサート」に出てくる父親とか、「みなさまを騙すなんて、できませんわ」の夫人とか、味のある人物はみな想像力がたくましすぎておかしなことになっている。 「恐竜」にしても使っているものは同じだ。
ちなみに、「恐竜」は、世界一短い短編と知っていて、どう来るかと思いながら初めて読んだけど、「あぁなるほど、これならありだ」と思った。
そんなわけで、上手いことをあっさりとやってしまう、なかなか上手い作家だなぁと思った。
PR
この記事にコメントする