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 セルバンテス 『ドン・キホーテ 前篇(一)(牛島信明訳/岩波文庫、2001年)

 騎士道の物語を読みすぎ憧れすぎて、自分がその騎士道の世界の人間(英雄)だと思い込んでしまったドン・キホーテと、そんなドン・キホーテの大言壮語による約束に期待しつつもドン・キホーテに対して冷静な(普通の)ことも言うサンチョ・パンサの珍道中を描いた1605年の小説。

 その意図するところ(皮肉)は400年経った今でも完全に通用する。思い込み(とそれが引き起こす悲喜劇)というものは、人間生活、人間社会の実にあらゆるところに存在している。人間ってのは本当に変わらないものだなぁと思う。

 ただ、いかんせん、冗長な気がする。( 要は、ドン・キホーテが現実を騎士道的に曲解・捏造することによって起こる悲喜劇的なエピソードがひたすら繰り返される。)

 今回読んだのは「前篇(一)」だけで、それでもちょっと飽きてきた。けど、実際は、他に5冊(前篇3冊と後篇3冊の計6冊)もある。

 結末はどうであれ、さすがに読み続ける気にならない。し、読む必要もないような気がする。登場人物たちのキャラクター設定は分かったし、有名な、風車に突っ込む話ももう出てきたし。

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