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菊池理夫 『日本を甦らせる政治思想――現代コミュニタリアニズム入門』 (講談社現代新書、2007年)
なに、このうさん臭いタイトル!?
政治思想が日本を甦らせられるわけねーじゃん!
だいたい、「甦らせる」って、日本は死んでるってこと???
バカじゃねーの。
こんくらい、自分で気付けよ!!!
しかも、コミュニタリアニズムって、欧米かっ!
それに、共通善が大事なら、別に何もしなくたって共通善は自然に作られんだから、心配する必要ねーじゃん!
オレらの共通善をオッサンに勝手に決められたくないんですけどー???
つーかさー、なんつーの、オレも一応、社会のこととか考えたことあるんっすよ。
ダチとかとたまに話したりもするし。
だけどさー、例えばさー、なんで茶髪はダメで、かつらはいいんすか?
明らか、茶髪もかつらも同じっしょ?
納得できないっすよ。
オッサンたち、すぐ「今どきの若者はっ!」つってオレらのことバカにするっしょ?
なんか、オレらの価値観だけが問答無用に否定されてるみたいで、まじウザイんすよ。
結局、自分たちが全て正しいって思ってるんしょ?
だから、そんなオッサンたちと善を共有してるなんて、マジ勘弁!
自由万歳!オレ万歳!
まあ、だけど、こんなオレでも、ぶっちゃけ、ダチは命張っても守るっすよ。
だって、仲間っすから。
オッサンと違って、オレのこと、まじ理解してくれてっから。
あいつらと一緒に、バイクぶっ飛ばしながら、Doragon Ashとか三木道三とか聴いてっと、まじテンション♂♂アガっから♂♂
だから、オッサンもいいダチ見つけっといいっすよ。
最高にバスミ!バーンスミ!って感じだから。
マジ生きてるー!!!って感じっすよ。
あー、ウゼー!!!!!!
なんでこんなこと、いちいちオッサンに語らなきゃいけねーんだよ!!!
欧米か!オレ、欧米か!!
まっ、そういうこっだから。分かるっしょ、オレの気持ち?
[渋谷区/20代男性]
He is a communitarian, isn't he?
出版社が付けたであろう大衆受けを狙ったダサいタイトルは措いておくとして、(おそらく)日本で初めてのコミュニタリアニズム(共同体主義)の一般向け入門書。
なのだけど、この本の問題なのかコミュニタリアニズムの問題なのか分からないけど、いろいろと問題が多すぎる。
「 「現代のコミュニタリアニズム」とは何よりも「共通善の政治学」 」(p36)だから、「共通善」を形成する土壌である家族とか地域社会といったものを重んじるのはとりあえず分かるとしておく。
だけど、「共通善」って具体的には何なのか分からない。
で、結局、予想されたことだけど、「共通善」という名で「菊池理夫イズム」を正当化して語っているようにしか見えない。
「非常勤を含め、大学で専門の政治思想の授業をしていても、こちらの思いがなかなか伝わらないことが多くなっています。」(p210)
著者自身によるこの感想を受け入れることがコミュニタリアニズムの問題を解決する糸口になりそうだ。
結論。
頑張って言語化しましょう。
おまけ。
ダメさがよく現れてる文章。
「 郵政民営化選挙の自民党の圧勝をポピュリズムの勝利とか「共通善」の実現として否定的に捉えている政治学者が私の周りにもかなりいます。(中略)
しかし、このことから「共通善」とは「多数者の専制」であるとして批判するのは間違っています。批判すべきなのは、その結果が本当に国民全体のためのものであり、一部のためのものではないか、つまり本当の「共通善」であるかという点です。 」(p188)