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加藤秀治郎、林法隆、古田雅雄、桧山雅人、水戸克典 『政治学の基礎』 (一芸社、2001年)
社会科学の中で未だによく全体像が掴めないのが、社会学と政治学である。(この点、経済学と法律学はかなりシステム化されている。)
たまに、全体像を掴む試みを行ってみるのだが、そもそも全体像を描いているようなテキストがあまりなく、そのようなテキストであってもものによって内容がかなり異なっていて、なかなか成功しない。
そんな試みを政治学において実践すべく読んだのが今回の本。
大学の教養課程や短大で政治学を学ぶ人向けのテキスト。
確かに、記述はかなり簡潔で、項目ごとに分けられた各章のページ数が10ページ前後しかない。
それで、結果から言うと、やはり政治学の全体像を把握するには全く至らなかった。
それより、政治学の素人である自分にその内容如何をあれこれ言う能力はないけれど、一つどうしても承服しがたいところがあった。
それは、最後の章である「第26章 現代政治学の理論」の最終節である「3 政治学の最近の動向」のところ。
ここで具体的な本の名前まで紹介されている研究が3つある。
すなわち、ダウンズ『民主主義の経済理論』、オルソン『集合行為の理論』、ロールズ『正義論』の3つ。
素人とはいえ、これらの研究くらいは知っている。
で、問題は、これらの研究が発表された年である。
調べたところ、ダウンズ『民主主義の経済理論』は1957年、オルソン『集合行為の理論』は1965年、ロールズ『正義論』は1971年。
これが「政治学の最近の動向」なのだろうか?
政治学がこれらの研究以降、大きくは発展していないということなのだろうか?
やはり、政治学は謎な学問である。
ちなみに、この本はブックオフで105円で購入したから、憐れみは無用。