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町山智浩 『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』 (文藝春秋、2008年)
本当にトンデモないアメリカの政治・経済・社会の実像を、冷ややか、かつ、おもしろくレポートしている本。
ブッシュ大統領のブッ飛んだ逸話が(マイケル・ムーアなどから)伝わってきたときも、アメリカはさすがにハンパないなぁと思ったけど、それらに勝るとも劣らないスゴイ話の数々が収録されている。
例えば、見出しからいくつか拾っただけでも、「「9.11テロはホモなアメリカへの神罰!」」、「「女に選挙権を与えるな」と言う女性政治評論家」、「子どもにブッシュを拝ませる洗脳キャンプ」、「隠れゲイの反ゲイ政治家とヤったゲイ募集!」、「ミッキーマウスを十字架にかける牧師」なんてものがある。
その他にも、外国で無辜の市民を勝手に拉致して拷問し、結局、ただの一般人だと分かり解放し、全く責任を取らない、なんていう北朝鮮まがいの行為までアメリカが行っている事実も書かれている。
しかし、これらの喜劇的な現実の存在にもかかわらず、アメリカが世界に冠たる先進国として経済発展し、優秀な人間を輩出したりもしているのは、やはり、「自分のことは自分で好き勝手やるべきだし、他人のことなんか知らない」っていうような分断的で冷徹な自由主義・個人主義のためなのだろうか? でなければ、そんな現実は何とかしようとするのが普通だろうと、日本人の自分には思える。
さて、それにしても、ブッシュが地の果てまで落とした世界の中でのアメリカの評判を、そして、トンデモないアメリカの現実を、オバマは変えることが出来るのだろうか?