by ST25
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岩田規久男 『日本経済にいま何が起きているのか』 (東洋経済新報社、2005年)
日本のデフレ不況に関する有力な経済学的な理解を、平易な、それこそ高校生でも分かると思えるくらい平易な言葉で説明してくれている良心的な本。
ここまで分かりやすくできるものかと、一種感動のようなものさえ覚える。
もちろん、経済学に触れたことのある人なら、同じ著者の『日本経済を学ぶ』(ちくま新書)とか『デフレの経済学』(東洋経済新報社)の方がより深く学ぶことができる。
けれど、基本はこの本と同じ。
それにしても、「有力な実証研究によれば、1990年代の日本の潜在成長率(※デフレにならなければ達成できた成長率)は3%程度」(p5)というのだから、「日銀理論」(※中央銀行はベースマネー、マネーサプライ、物価について統御することはできないという思想:by若田部昌澄)の罪なこと。
日銀が生み出した失業者(特に若年の)も少なからずいたことだろう。
〈前のブログでのコメント〉
- 速水さんの責任は否定しようもないが政府・日銀一体となったデフレ政策じゃない?
- commented by やっさん
- posted at 2006/06/08 08:33
先日の量的緩和解除のときの日銀に対する政府首脳のいじらしい発言が象徴的ですが、さすがに「政府・日銀一体」とは言えないんじゃないでしょうか。政府首脳は揃って「緩やかなデフレ」を強調しています。「財務省・日銀一体」なら異存はありませんが。
もちろん、確かに、このタイミングでの政府の不良債権処理は問題だったかもしれませんが、金融政策が求められている状況で政府にできることなんてたかが知れてるように思えます。財政政策は、効かない上に、ただでさえ多い借金を増やすだけですので、結局、規制緩和と政府系機関の民営化くらいかと。
それにしても、日銀はさすがに独立させすぎたのではないかと思っています。せめて総裁人事くらいは内閣に与えておくべきだったのではないかと思います。いくらなんでも無規律で自由すぎます。いずれにしても、日銀(中央銀行)については、そのうちまとめて色々読んでみたいと思っているのです。元審議委員の回顧とか、グリーンスパンの話とか、読みやすそうなものから。
commented by Stud.◆2FSkeT6g
posted at 2006/06/08 19:59
- 最近はデフレに対して敏感だが竹中さんとか最初デフレ容認というか清算主義やったからね。
「誰のための日銀か」とか面白そうやったよ。
総裁人事、福井さんは某実力者が押したってきいたけど。 - commented by やっさん
- posted at 2006/06/09 00:03
- 確かに、竹中大臣は変節されたようにお見受けされます。
日銀総裁人事、自分が勘違いしていたようです・・・。任命権は内閣にあって、国会の承認を必要とする、という手続きみたいです。ただ、任期の5年間は解任できないみたいですが。
しかし、やはり「総裁解任」などの「日銀の責任」を取らさせる仕組みがないとなると、ますます、信頼に足るインフレ目標を設定すべきだという気持ちが高まります。 - commented by Stud.◆2FSkeT6g
- posted at 2006/06/09 04:14
竹中さんの転向は評価してます。
本で読んだ限りでは、福井さんは速水路線の継承者で、リフレ派は「誰のための日銀か」を著した中原さん(積極金融政策路線で速水さんと対立)を押したそうです。
しかし、構造改革派のみならず積極財政政策派が福井さんを押したみたいです。 政策は順次とパッケージだと考えさせられます。- commented by やっさん
- posted at 2006/06/09 12:10
- その本の中原氏のポケベル事件のところだけ読みました。官僚って本当に陰湿です。マジキモスw
- commented by Stud.@Webmaster
- posted at 2006/06/09 19:19
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