by ST25
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ジョセフ・E・スティグリッツ『スティグリッツ 公共経済学(上)』 (藪下史郎訳/東洋経済新報社、1996年)
すでに第2版が出ているみたいだけど、これは第1版。少し前に古本屋で105円で購入した。
最近興味を持っている公共選択の章があったからそこだけ読んでみた。(「第5章 公共選択」と「第6章 公的生産と官僚制度」)
あくまで公共経済学・財政学の教科書だから、公共選択論については基本的なところが簡単に押さえられているだけ。
だけど、公共選択論の「入り」としてはとても分かりやすい。
というのも、最初に「資源配分の私的メカニズムの効率性」を押さえた上で、そこから逸脱した非効率なものとして「資源配分の公的メカニズム」が位置付けられ語られているから。
具体的には、市場とは違う公的な資源配分メカニズムとして、多数決投票、中位投票者、投票のパラドックスといった公共選択論の概念が、市場による資源配分との違いを意識しながら説明されている。
そのため、経済学と政治学(的対象)との接合が自然になされているように感じることができた。
これが普通なのかもしれないが、いかんせん先に政治学者の書いたもの(小林良彰『公共選択』)を読んだから、経済学的な方法を使って政治的現象を分析することの意義を理解し損ねていたような感じである。
やはり、政治学ではなく、経済学との関係において語られないと、公共選択論はあまり意味がないようである。
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