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 ポール・クルーグマン『嘘つき大統領のアブない最終目標 (三上義一、竹熊誠訳/早川書房、2004年)
 
 
 貪欲に今日2個目の記事を更新。

 ニューヨーク・タイムズ紙に掲載された、ノーベル経済学賞候補と目される経済学者による歯に衣着せぬ過激な内容のコラムを29篇集めたもの。『嘘つき大統領のデタラメ経済』の続編。収録されているのは2003年3月から2004年3月の間に書かれたもの。

 ちなみに、邦訳のタイトルはかなりインパクトのあるものになっているけど、原著のタイトルは、"The Great Unraveling"。訳せば、「ひどい破綻」とか「大崩壊」とか(だと思う)。
 
 
 29篇のコラムは、大まかに、「戦争とテロ」、「減税と社会福祉」、「権力の濫用」の3つに分かれている。主張の内容はそんなに多岐に渡らない。

 「戦争とテロ」では、大統領自らがテロの恐怖を煽っておきながら対テロ予算を拒否するなど国内のテロ対策を怠っていること、何だかんだと理由をでっち上げてアルカイダの拠点であったアフガニスタンからテロ組織と関係のないイラクへと主要な軍事力を移動させてしまったこと、が主に語られている。

 「減税と社会福祉」では、金持ち向けの減税を自ら行っておいて、いざ歳入が減って財政が赤字になると、その赤字を利用して福祉支出の削減を行おうとしていることが主に語られている。

 「権力の濫用」では、政権に不利な情報はどんな手段を使っても消そうとしていることが主に語られている。
 
 
 この本を読んでいると、小泉首相がまともに見えてくるから恐ろしい。

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