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村松岐夫、久米郁男編著 『日本政治 変動の30年――政治家・官僚・団体調査に見る構造変容 』 (東洋経済新報社、2006年)
1976年から行われている国会議員、官僚、利益団体リーダーに対する大規模な面接調査の「第3回」の結果が出たことを受けて出された本。この本で示されている分析結果は、まだ総括的なものや仮説的なものが多い。
この面接調査でされている質問がなかなかおもしろいから、高価なのについ買ってしまった。(※全ての質問項目および回答が掲載されているわけではない)
質問項目としては例えば、「政策形成で力を持っているのは誰だと思うか?」とか、(政治家に)「誰とどのくらい会っているか?」とか、(官僚に)「官僚の役割をどう考えているか?」とか、(官僚に)「省内で力を持っているのは誰か?」とか。(※回答は選択式)
部外者には分からない、彼らの行動や考えが分かっておもしろい。
この本に収録されている分析からは、55年体制の崩壊以降、あるいは、選挙制度改革以降の日本政治の変化が明らかになっている。
政治家・立法府においては、首相に対して権力が集まってきている。
官僚に関しては、自己の役割を立法府・内閣の示す方向に忠実に従うことだと規定する人が増えている。
利益団体は、政治に対する影響力が落ちつつある。
これらを見る限り、どうやら、右往左往して10年を失いながら90年代に行ってきた政治改革・行政改革の成果が、少なくとも当事者たちの認識においては、現れているようだ。小泉政権を見る限りでは認識レベルだけでなく現実レベルでも成果が(まだ不十分だとしても)上がっているようだし。良かった良かった。
やはり制度(改革)は重要なのだなあと思った。
その点、タイのクーデタとか、ホリエモンに対する(「拝金主義」という)道徳的批判とかは、何とも心許ない。