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 太田光、中沢新一 『憲法九条を世界遺産に(集英社新書、2006年)
 
 
 爆笑問題の太田光と宗教学者の中沢新一による憲法9条論を中心にした対談。

 
 
 やはり、太田光の言うことは、(主張自体の如何は別にして、)新鮮で、鋭くて、面白い。
 自分の凝り固まった思考や想像力を拡げてくれるし、見事すぎて主張としても正しく思えてくることしばしば。

 実務家でも学者でもないという意味での「評論家」とは本来こういう存在であるべきなんだろうと思う。
 
 
 ところで、太田光は「何か言うときに、信念か笑いかといったら、自分はコメディアンだから笑いを選ぶ」というようなことをテレビなどでよく言っている。

 この態度を、「ふざけている」と批判することもできるけれど、この本でたくさん語られているように「それだけ笑いの力を信じている」と理解するべきだろう。

 特に、真面目に(「サンチョ・パンサ国際政治」的に)太田光の発言に怒っている人は知っておくべき。

 次の発言は、どこまで本気か分からないけど笑いへの熱い気持ちを窺わせる。

若い人たちが、自殺サイトで死んでいくのも、この世の中に感動できるものが少ないからなんでしょう。それは、芸人として、僕らが負けているからなんだと思うんです。
 テレビを通じて、彼らを感動させられるものを、何ら表現できていない。極論を言えば、僕の芸のなさが、人を死に追いやっているとも言える。だとしたら、自分の感受性を高めて芸を磨くしかないだろう、という結論に行き着くわけです。 (pp154-155)

 
 
 しかし、それにしても、なんで中沢新一なんだろう?

 実際、中沢新一、蛇足ばかり。

 太田光が鋭くおもしろいことを言った後に、わざわざ小難しい例を持ち出して、話の焦点をぼかしたり、発言の鋭さを弱めてしまうことしばしば。ミスキャストと言わざるを得ない。(太田光の対談相手は大変だろうけど)
 
 
 でも、なにはともあれ、全体的に「こういう風に憲法を語ることもできるのか」と思わせてくれる一冊。

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