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ボビー・ヘンダーソン 『反★進化論講座』 (片岡夏実訳/築地書館、2006年)
ブッシュ大統領などアメリカのキリスト教保守派によって強く主張されている「生物の複雑さは進化論では説明できず、したがって、『なんらかの知的存在』(※神とは明言しない)がデザインしたのだとする説」(訳者まえがき)であるインテリジェント・デザイン説(ID)のパロディ。 (IDについて詳しくは「インテリジェント・デザイン―Wikipedia」参照)
IDの主張をそのまま援用して「空飛ぶスパゲッティ・モンスター教(Flying Spaghetti Monsterism)」を展開している。要は、「知的存在」として「空飛ぶスパゲッティ・モンスター」を置いている。IDが教育の場に持ち込まれようとしているのに対抗してこちらも教えられるべきだと陳情したりもしている。『利己的な遺伝子』のドーキンスもこの教団を支持している。 (詳しくは「空飛ぶスパゲッティ・モンスター教―Wikipedia」)
相手の主張をそのまま受け入れることでそのバカらしさを暴露する、おもしろい試みだと思う。
ただ、日本ではIDの脅威はないから、実際的な効用より「どれだけ笑えるか」に期待して読んだのだけど、その点では正直いまいち。
なんて気楽に思っていたら、アヤパンやナカミー、それから本田朋子も読んでいるだろう産経新聞がIDを肯定してるんだって!(前掲のIDに関するWikipedia参照)
『産経新聞』を読まないで下さい。
ちなみに、今の日本でホットなトンデモ科学といえば「水からの伝言」。
「きれいな言葉」をかけ続けた水の結晶は「きれいな形」になって、「きたない言葉」をかけ続けた水の結晶は「きたない形」になる、っていうやつ。
一部、学校現場で教材として使われているのが明らかになったため、良識人からの批判言説が盛んになった。(科学者による応答として「「水からの伝言」を信じないで下さい」参照)
こんなトンデモないことを教えるくらいなら、詰め込み教育の方が何倍もましだ。
というか、教育論議の前提として、とりあえず教えるべき内容についてコンセンサスを得ることが重要みたいだ。