by ST25
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重松清 『あの歌がきこえる』 (新潮文庫、2009年)
1970年代から1980年代初めに中国地方の田舎(山口市)で青春時代を過ごした筆者ではなく、シュウと、その親友のヤスオ、コウジの3人の青春の断片を描いた短編集。
それぞれの話に、その当時を思い出すたびに思い出される歌(ジョン・レノン「starting over」、小田和正「さよなら」、ユーミン「Destiny」など)が、登場する。
筆者と同世代ではないから、登場する歌を知っていてもあまり青春時代の思い出と結びつかないのは残念だけど、青春時代のあの尖っていて甘酸っぱい心情は時代を超える。
微妙な心情をすくい取る力量がいかんなく発揮された、重松清らしい作品。
なんだかんだですっかり重松清にはまってしまっている。 読みやすくて手軽というのが大きい要因でもあるけど。
キャシー・アッカーやらバロウズやら大江健三郎の初期作品やらを傑作だと感じる自分と、重松清にはまる自分とが矛盾なく共存しているのは紛れもない事実だ。
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