by ST25
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酒井雄哉 『一日一生』 (朝日新書、2008年)
山の中を7年かけて4万kmほど歩き、最後に90日間お堂にこもり、食事やトイレや1m四方の縄床での2時間の仮眠以外の1日20時間以上の時間を、念仏を唱えながら阿弥陀仏の周りを歩き続けるという荒行「千日回峰行」を2回やり遂げた、天台宗大阿闍梨によるエッセイ。
これほどの修業をした人はどんな考えに至るのかということに興味があったのと、そんな人の言葉を論破してやろうという気持ちから読んでみた。
悟ったような偉そうなことを大上段から言ってくるのかと構えて読んでみたら、あまりにも肩の力の抜けた威張らない言葉の数々に拍子抜け。
「 「千日回峰行を経てどんな変化がありましたか」とよく聞かれるけど、変わったことは何にもないんだよ。 みんなが思っているような大層なもんじゃない。 行が終わっても何も変わらず、ずーっと山の中を歩いているしな。 」(p15)
といった調子。 しかも、わざと澄ましてクールぶっているということでもない。
そんなわけで、言葉の一つ一つに深さや新しさはないけれど、背伸びをしない生き方や発言に感心した。
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