by ST25
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舞城王太郎 『スクールアタック・シンドローム』 (新潮文庫、2007年)
いかにも今風な作家の今風な小説。 収録されているのは、「スクールアタック・シンドローム」、「我が家のトトロ」、「ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート」の3作。
暴力の伝染、暴力の連鎖の話が中心。 ソマリアはもちろんのこと、ブッシュのアメリカとか厳罰万歳死刑万歳の今の日本の社会状況なんかをも思わせる社会派でもある。
ただ、暴力が伝染・連鎖するメカニズムや理由の洞察は、深くはない。 というか甘い。 「弱い者が恐れて武器を取る」とか「なんとなくイジメたくなる」とか「空気」とか。
そんなわけで、ほとんど、ただカオスな人たちを描いただけの小説。
ちなみに、グロさは今時の(と言ってもここ数十年くらいの)小説やらノンフィクションやら映画やらと比べたら全くどうってことない。
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