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古川昭夫 『英語多読法』 (小学館101新書、2010年)
英語の多読による習得の、良さとその実践方法を説明している本。
文法や精読偏重の日本では多読の有用性を説くことは非常に意味のあることだと思う。(かねてから思っている。)
ただ、その上で、この本を読んでいて気になったのが、多読の成功例として出てくるのが、「国際地理オリンピックのメダル受賞者」だとか、「現役で東大に合格した高校生」だとか、「国立大付属中の中学生」だとか、「私立中の中学生」だとか、いわゆる「勉強のできる」人たちばかり。
そりゃ、彼らなら飲み込みもいいし、上達もするだろう。 もともと中高レベルの英語の素地を平均以上に持っていたり、勉強のできる頭の使い方をできていたり、大量の英語の中から規則性に気づいて習得できたりする人たちなのだから。
問題は、数学とか国語とかがかなりできない中高生が多読をしても、果たして、英語だけ進学校の学生以上の英語力になるのだろうか、ということだ。
ありそうな現実は、そういう勉強ができない人たちは、この本に出てくる人たちより習得に時間がかかるから、この本に出てくる人たちの2倍、3倍の多読をすれば習得できるようになる、というものだろうか。
もしそうなら、そんなもの誰がやるか、という話だ。
何はともあれ、多読と言ったって、そんな楽園みたいに良いことだらけのはずはないだろう。
ところで、話は変わって、この本を読んで、再び、ちょっと多読をやってみようかという気になってしまった。
今の自分にとって、リーディングはそれほどネックなものではない。 必要なのは、リスニング、ライティング、スピーキング、語彙だ。(ほとんどだけど・・・。) この本によると、多読でリスニングや語彙の力も伸びるとのことで、思えば確かに、それほど荒唐無稽な主張ではない。
かつて試みたときは、PENGUIN READERS のレベル2『Alice in Wonderland』と、レベル4『1984』と、OXFORD BOOKWORMSのステージ4『A Tale of Two Cities』を読んで止まってしまった。 3つとも楽々読めたし、内容も楽しかった。 簡単すぎて効果がなさそうというのが前回の感想ではあったけど、あの程度であれば、他のやりたいこと、やらなければいけないことの間に片手間でできる。
今の自分にとっての効果という点では若干懐疑的ではありつつも、ちょっと気軽にやってみるか・・・。