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 星浩 『自民党と戦後(講談社現代新書、2005年)
 
 
 帯によると「政治部記者の目で描く長期政権の成功と限界」とのこと。ポイントは、「政治部記者の目」というところ。つまり、真実でも、学問上の通説でも、統計上の数値でもなく、あくまで一人の人間による勝手な一解釈であるということ。

 内容は、最近の自民党の状況、自民党の歴史、自民党のスキャンダルの歴史、理念の対立軸など。ただ、そのレベルは“小中学生向けの自民党入門書”というくらいに簡単・簡潔なもの。ページ数も「資料」を除いて173ページと新書としてもかなりの短さ。

 とはいえ、「天の声にも変な声がある」(福田赳夫)、「日本を不沈空母にする」(中曽根康弘)、「山が動いた」(土井たか子)、「重大な決意」(海部俊樹)など、比較的知られていない名言を多用しているところは良かった。

 ただ、兎にも角にも、論理的思考力の欠如、不用意な断定、無根拠な推定に満ちていて、いかんともしがたい。

自民党本部が2005年2月に発表した2004年現在の党員数は140万8164人。前年比で12万6000人(8.2%)減った。7年連続の減少である。自民党の党員数は1991年に546万人を記録。その後、景気後退とともに減少基調が続いた。(中略)
 最大の原因は参院比例区の選挙制度の変更だ。1998年までは拘束名簿式で、党員や後援会員集めに応じて候補者の名簿掲載順位が決められた。そのために、業界単位の党員集めが熱を帯び、党全体の党員増につながったのである。それが、2001年以降は非拘束名簿方式となり、投票は政党名でも候補者名でも有効となった。その結果、各候補者は党員集めを競うのではなく、実際の得票を争うようになり、これが党員減少に直結したのである。(pp30-31)

 

森は2000年6月に衆院を解散。総選挙で森首相への風当たりは強かったが、それでも自民党は定数480のうち233議席を確保、公明党の31議席、保守党の7議席と合わせて、連立与党は過半数を維持した。
 森政権が存続した理由は、①小渕の死去への同情があった②野党が民主、自由、共産、社民と分裂して得票が拡散した③公明党が選挙区で自民党候補を全面支援した、などの理由があげられる。(pp100-101)

 
 
 しかし、「自民党の歴史」「スキャンダルの歴史」を読みながら、自分にとっての“自民党原体験”は消費税導入とリクルート事件だったなぁと懐かしく思い出していた。ただ、小泉政権以降、この種のダーティな“イメージ”(実際はどうであれ)は過去のものとなってしまった感がある。ついに、右対左の対決の時代が来たのだろうか。



〈前のブログでのコメント〉
もう本当に心の底から全くご指摘の通り(笑)
小さな政府を訴えつつ低中所得層の税負担だけが上がり続ける矛盾。小学校で習った歴史によると、小泉・自民党・学者大臣・経団連の慎みのない強者サークルを、全国1000万(くらい)のニート・フリーター連合プラス全国6000万(くらい)の労働者で強襲する日も近い!ビバ・ラ・レボリューション!
 いや、真面目に革命が必要です。
commented by Stud.
posted at 2005/10/07 19:12
全くご指摘のとおり 笑。

自民党(小泉)は税金負担してくださいその前に歳出削減しますでしょ。ロジックは正しいがしょぼいね。しょぼい。小さな政府というかヒドい政府だ 笑
金持ちを金持ちにする事は必ずしもみんなを豊かにしないと新自由主義者にいいたい!

政府は多様な生き方を保証する基盤を人々に提供しなければ人々はジャパニーズドリームを描けない!

ちなみにゼミでサッチャーの研究してたら「社会なんてない。あるのは家族と個人だけだ」って言ってた。端的だなぁ。
commented by やっさん
posted at 2005/10/07 01:31
 全くご指摘の通りだと思います。

 先の衆院選以来、小泉自民党が「小さな政府」という言葉をはっきりと使用するようになりました。ただ、前原誠司はいまいち“時代を見る眼”および“トップとしての自覚・センス”が欠けているようで、自分の信念をただひたすら訴えればよいと単純に思っているみたいです。その結果、前原民主党が果たしてどこで誰と闘っているのかが分かりません・・・。世論は新自由主義より平等を支持しているらしいのに。

 そんなわけでポスト小泉の日本政治は混迷するのではないかと思います。
commented by Stud.◆2FSkeT6g
posted at 2005/10/06 18:44
自民党の純化により政権交代をしやすくさせたのではないかな。民主党は改革のスピードを競うんではなく改革の方向性を競うべきと思う。
commented by やっさん
posted at 2005/10/06 16:54
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