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 町山智浩 『99%対1% アメリカ格差ウォーズ(講談社文庫、2014年)

 

 北朝鮮や中国というと政治経済制度の違いもあり、「どうせどこかしら日本のような民主主義国・資本主義国とは違うのだろう」と、違うことを前提に懐疑的に何であれ話を聞く。

 それに対して、アメリカは民主主義・資本主義の国で、日本の仲間(同盟相手)であり、かつて追いつけ追い越せと目標にしてきた(憧れてきた)国であるだけに、つい、日本と同じであることを前提として何事も考えてしまう。

 その結果、想像を絶するような事実を聞いたときも、北朝鮮や中国なら「やっぱり」と納得してすっと受け入れるが、アメリカだと「いくら何でもそんなはずないじゃん」と話を真に受けなかったりする。

 「アメリカは貧富の差が激しい」、「アメリカには国民皆保険がない」、「人種差別はまだまだ払拭できていない」、これらのことは情報として何回も聞いてきた。でも、どこかで「そうは言ってもアメリカだし」と留保を付けてきたところがあった。

 しかし、この本によって、そんな生ぬるい井の中の蛙な認識を根底から破壊させられた。



 「ティーパーティー」や「FOXニュース」というと今のアメリカを語るのに外せないもののように捉えられている。大手新聞も普通に国際面の大きなスペースを割いて報じている。それらを知らないと無知だとバカにされるようなそんな存在として日本では思われている。

 しかしその実態は、「オバマはテロリストの弟子」、「オバマは小学校でイスラム過激派の教育を受けた」、「国民皆保険は社会主義の始まりだ」、「所得税は一律25%に」などという報道・主張を堂々としている団体だった。

 日本で言うなら、ことあるごとに「軍靴が聞こえる」とか「独裁者だ」とか「朝鮮人の仕業だ」とか言い出す人たちのようなものだ。

 厄介なのは、日本のそういう過激な「1%」と違い、アメリカのそういう「1%」はやたらと金を持っているということだ。FOXニュースはメディア王マードックが、ティーパーティーはコーク兄弟(個人経営の企業で全米第2位の会社を持っている)が背後で潤沢な資金を援助している。

 TVCMで「州知事時代に第1級殺人の囚人に週末の外泊許可を出した」という誤った情報大々的に流し、ある大統領候補の支持率を落下させるのに一役買ったのはFOXニュースの会長アイルズだ。

 このような物量作戦が功を奏したのか、ティーパーティーが大統領候補を擁立したら投票するとした人は16%にもなったり、FOXニュースのキャスターがニュースキャスターの人気上位に来たりと、その存在感は無視できないくらいになっている。



 差別的な侮辱的な発言・主張を堂々とできてしまうアメリカ。同じ国に済む人たちのことは全く考えず自己中心的な主張が支持を得ているアメリカ。

 今の日本と比べてどちらが良いだろうか。少なくとも自分は今の日本を守りたいと思う。



 
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