by ST25
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岩田規久男 『「小さな政府」を問いなおす』 (ちくま新書、2006年)
「小さな政府」に関連のある、経済理論、外国の例(イギリス、スウェーデン)、日本の過去の試み、小泉政権の政策などを概括している本。(※タイトルはミスリーディング)
「小さな政府」について議論する際に最低限知っておきたいことが網羅されている。
特に、スウェーデンの福祉とかサッチャーの改革とかは、色々な人が自分の主張を強化するために一面だけを切り取って持ち出すことが多いから、その前提条件とか功罪が冷静に論じられているのはありがたい。
ただ、この本では、この著者が他の新書(『経済学を学ぶ』、『日本経済を学ぶ』など)で見せている“難しいことを分かりやすく説明する爽快さ”が、説明していることがあまり難しくないためか、なりを潜めている。
それに、色々な本(増田悦佐『高度経済成長は復活できる』とか)の内容を切り貼りしているだけの箇所も多め。
そのため、読み物としては、ややおもしろさに欠ける。(もちろん、言っている内容は重要なことだけど。)
とはいえ、良心的な正統派経済学者らしい真面目で手堅い内容だから、読んでおいて損のない一冊、という感じ。
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